脇差 近江大掾藤原忠廣 (新刀上々作・大業物)
長さ46.0cm 反り1.0cm 元幅3.1cm 元重0.7cm
慶長十九年、初代忠吉四十三歳の時に生まれた忠廣は幼名を平作郎、のちに父と同じ新左衛門に改め早くから鍛冶修行、寛永九年の父の没した年には十九歳にして早くも忠廣銘の自身作を世に出し、以降元禄六年八十歳の高齢にて没するまでの六十年間、名人と謳われた初代、三代を凌ぐ名作の数々を今に遺している。その優品の残存数と作刀水準の平均点の高さは他に類を見ず、またさらには三代陸奥守忠吉、四代近江守忠吉を育成し、刀剣王国肥前の名を全国に高らしめた功績は大いに評価されるべきものであろう。
本刀は直刃出来の多い忠廣の作中で割合少ない乱出来、地鉄小板目肌美しく引き締まり、刃文焼頭丸い互の目に袋形の刃等交えて高低に変化し、足に交差するように細やかな金線・砂流し入る。完成度は高く、研ぎ減りの感じられない健全さが大変に好ましい。昭和二十六年鹿児島登録(三百番台)。
白鞘入 新規研磨済 日刀保特別保存刀剣鑑定書付(本年一月審査) 売約済