読み物コーナー 第一話

「日本刀は難しい」と考えていませんか

  日本刀は日本固有の文化的遺産ですが、そもそもの存在目的が武器としてのものであり、その所持等が銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)の規制範囲であるため、「日本刀は難しい」、「日本刀は危ない」等という観念が依然として強く、古来から広く日本人の精神的支柱であり、美術工芸品としての鑑賞の対象である日本刀が、他の古美術品と比べて一般に親しみにくくなっているのが現状です。同時に、日本刀の所持や、更に言えば、日本刀というものの捉え方全般に関して、広く一般にわかりやすく解説する場が余りに少ないこともその原因の一つとしてあげられるかもしれません。ここでは刀剣に関することで、一般に余り知られていないことや、誤解されていると思われる点について少しご説明させていただきたいと思います。

1、日本刀の所有について

  日本刀の所有に関することは、一般にかなり誤解されているようで、よく「日本刀の所有には資格が必要なのでは?」などといった問い合わせをよく受けますが、日本刀は銃などと違い、所有する個人に対して法律上、行政上の厳しい審査などは一切ありません。従ってその所有には特別な免許や資格は一切不要で、成年、未成年※、前科の有無を問わず誰でも所有できます。ただし、ここで重要なのは、その所有する日本刀が、各都道府県の教育委員会の登録審査において、美術的価値を認められ、登録証が交付されたものでなければならないという点です。つまりわれわれが一般に購入、譲渡により所有できるのは、登録証がすでに交付済みの刀剣に限ります。そして購入、譲渡等により所有者が変更した場合は登録証を発行した教育委員会へその旨届け出る必要があります。銃刀法に基づき、取り扱いに注意すべき点がいくつかありますが、基本的には通常鑑賞用に所有し、一般道徳に基づいた保管をしていれば問題ありません。
※ただし、各地方自治体の条例等に個別に抵触する可能性があるため、当店では未成年者に対する刀剣の販売は行っておりません。

2、日本刀は「物騒」か?

  日本刀は、「物騒だ」等という理由で敬遠される向きがあります。それは冒頭でも述べたように、日本刀が美術的価値と、武器としての側面を併せ持ち、もっといえば、「武器としての美しさ」を持つ以上、根本的な問題ともいえますが、テレビの時代劇のように、武士は気軽に刀を振りまわしていたわけではありません。当時武士は君主のため以外には刀を抜くなという教育を受けました。切るものであるが切らぬところに刀に対して良識があるのです。武器に出発して美術に昇華したのは日本人の尊ぶべき精神といえるでしょう。また、誤解していただきたくないのは、「日本刀があるから喧嘩をする」ではなく、日本刀はあくまで道具であり、日本刀それ自身が事件を誘発するわけではありません。今日では日本刀の美術的価値が認知され、鑑賞の対象として一般に所持されているので、現在約230万本の日本刀が登録されていますが、日本刀による殺傷事件は年間数えるほどしか無いわけで、その点では、家庭にある包丁やナイフの方がはるかに物騒です。また、小さなお子さんのいるご家庭でも、保管場所と、鑑賞する時間を調整すれば、問題は生じないと思います。

3、日本刀の価格評価について

  一般に骨董品は価格があってないようなものだ、などとよく言われますが、古美術品のなかでも刀は比較的価格が安定していると言えます。その理由は、刀は他の古美術品と比較して、古来より研究が進んでおり、資料も比較的多く残存し、そのため見る者によって価格評価が極端に異なることがないことと、良い悪いは別として、権威ある機関の発行する鑑定書の有無、格付けのランクが、真偽の判定と同様に価格評価の重要な目安となっているからです。真偽と保存状態、そしてそれに比例する経済的価値が、添付されている鑑定書等によって大きく左右されているのがここ数十年来の刀の価格評価の特徴であり、それによって価格の相場が成り立っているのが実情といえますので、このような価格評価の目安となる審査制度がない他の古美術、骨董品に比べれば、価値判断は比較的容易であるといえます。ただし、例外的に、識者が一目見てわかる偽物に鑑定書がついている場合もあり、売る側も偽物であることを承知でそれを逆手に取り、正真として販売する場合もあるので注意が必要です。私共は販売する商品に責任を持ち、初心者の方にも安心してご購入していただける体制 作りを心がけております。

日本刀に関する全てのご相談に応じます。どうぞ御気軽にお問い合わせ下さい。